本田選手が日本に帰国しなかったことへの批判について | 日本で活動中のサッカー監督のブログ

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バルセロナで修行してきましたが、2017年より日本で活動しております。

日本代表がワールドカップのグループリーグで敗退した後
本田選手が日本に帰国しなかったことをよく思わない
人が結構いるとか。日本を代表しているので
帰国してチームとしてもう一度、国民に
報告と挨拶をすべきという意見ですね。

僕は選手側で見てるので本田の行動を擁護したくなります。
というのは彼には頭と体の部分で十分な休養が必要であり
来シーズンに向けて万全の準備が必要と思うからです。
そもそもミランで10番を背負いながらプレーするだけでも
そのストレスとプレッシャーは計り知れないのに
彼の場合はさらに体調不良に苦しみながら
シーズンを過ごしました。
全く走れていない試合も何度かあり
いかに体調面で苦しんでいたかは
試合をみればわかります。

さらにミランは監督も変わり、本田が昨シーズンと同じくらい
スタメン起用されるという保証は全くなくなりました。
さらに昨シーズンの不調でイタリアのマスコミの
風当たりも相当強く、彼が来期のミランの構想に
入ってないという意見もあります。

つまり来シーズンに向けてのスタメン争いは既に始まっていて
彼の立場は既に大変厳しいものになっているということです。

リアルな言い方をするとプロ選手としての評価を受ける
源泉は日本代表ではなく所属クラブでの活躍です。
仮に彼がサッカー選手として職にあぶれたとしても
日本代表は彼を選出しないだけでほとんど助けになりません。
日本に帰国すればマスコミ対応もありますし、
各所に挨拶回りをすることも必要ですし
日本では派手な遊びをしたくなる誘惑にも駆られるでしょう。
そういう意味でしっかりとした休養と来シーズンに向けた
万全の準備ができると僕は思えません。

碓かに日本代表という組織の中でけじめをつけるべきという
意見も一理ありますが、プロサッカー選手としてのキャリアを
天秤にかけた場合、後者を優先すべきなのは当然なのではと。

日本のマスコミも叩きやすい対象として本田を叩いていますが
W杯で勝つための準備がサッカー協会の組織として
きちんとできていたのか、今回のW杯の総括をする前に
次期代表監督の選出を原さんが
そのままやっていいのかとか
もっと本質的な問題があるはずです。
権力を握っている強者にはなびいて、叩きやすい弱者は
とことん叩くという「弱い者いじめ」の構図にもう飽き飽きしています。